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「あれはー……断ったよ」
「もったいない」
「別にもったいなくない。あんま興味なかったし」
「ふうん……? まあ興味ないものを無理に付き合えいいのに~とは別に思わないけどさ」
千葉くんは、視線をさ迷わせてから、向かいに座るわたしではなく斜め上の空中に焦点を合わせて口を開いた。
「トモが食べてるものは美味しそうに見えるし、トモが着てる服はかっこよく見える。俺、トモが持ってるものは何でも、羨ましい」
「わがままか」
わたしが笑っても、なぜか千葉くんは笑わなかった。
「トモがほのかと付き合ってるのも、羨ましい」
「……え」
なに、それ。
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