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「私も一緒に行ってあげたいんだけど、明日はバイトなんだよね。明後日なら一緒に行けるんだけど」 「うーん……でも、手持ちの服じゃ寒いし、明後日の朝はかなり冷えるって天気予報やってたし、明日行っちゃいたいかも」 「じゃあ、康平が都合いいか聞いてみよ?ひとりで行くのは絶対危ないよ」 明里に言われ、康平を頼った。 康平は予定が空いているからとふたつ返事で快諾してくれた。 そして翌日―― 朝からバイトに向かう明里に戸締りを頼まれ、部屋を出る際には入念に戸締りを確認した。 私のアパート前で康平と待ち合わせ、部屋に入る。 1週間ぶりの部屋は、どこか別の場所に見えた。 「じゃあ、必要な物だけ持ってこうか」 シャッターが閉まって薄暗い部屋の電気を手探りでつけ、康平が言う。 クローゼットから、コートやニットといった冬服を取り出し、同じく奥にしまってあるキャリーバッグに押し込んだ。 「いつくらいにこの部屋戻るん?」 「まだ決めてなくて…。不気味すぎて、考えられなくて」 私が答えると、康平はそうだよなと苦笑いする。 それから、「いつかわからないなら多めに持ったら?」と言って、服をしまうのを手伝ってくれた。 冬服をまとめて持った後、スキンケア用品を取りに洗面所へ向かった時、猛烈な違和感に襲われた。 何だろう。何かが違う。 私は、化粧品のボトルを掴みながら、洗面所を見渡す。 それで気づいた。 お風呂場の換気扇が、回っていない。 いつも浴室乾燥機の24時間換気モードをオンにしていて、明里の部屋に避難する時も切らずに部屋を出た。 なのに、それがオフになっている。 誰がオフにしたの? 寒い洗面所で、冷や汗が私の頬を伝う。 康平は部屋に上がってから、私と一緒にいた。 寝室に一緒に行って荷物をまとめていて、離れたのは私が洗面所に来るまで一度もなかった。 康平じゃない。私でもない。 別の何かが、ここにいる…?
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