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第七話
19.
「分かりました。今はまだ我慢します」
と俺が応えるとミハルもほっとした様子で笑顔を見せてくれた。
その笑顔はとても可愛くて魅力的で、そんな彼女を見ているうちに
どうしても彼女の全てが欲しいと感じてしまったのでミハルに
「やっぱり抱きしめても良いですか?」
と聞いてみるとミハルは恥ずかしそうな仕草をして コクリと首を縦に振る。
俺とミハルはお互いに寄り添うとミハルは俺を優しく受け入れてくれて、しばらく俺達は無言でそうしていた。
ミハルが俺を受け入れてくれて嬉しかった。
俺はそれだけで満足できたので、
「続きは後でにしましょう」
と俺がいうとミハルは俺の顔を見ると少し嬉しそうにはにかんだが、
ハッと我にかえったかの様に顔をさらに赤くした。
それからしばらくすると俺達はようやく冷静になることが出来たので二人でベッドに向かう。
二人で横になるとミハルの頭を軽く撫でながらおやすみと言うと
「おやすみなさい。大好きですよ」
と言ってきたので、
「ありがとう。愛しています」
と返事をするとうっとりした表情になって俺の胸に顔を埋めると静かに眠りについた。
「ふぁ~あ」
と大きな欠伸が口から漏れた。
俺の目の前にはミハルが座っており朝食を美味しそうに食べていた。
俺も食事をとるために用意されたテーブルにつくとミハルは俺に微笑んでくれる。
俺は食事をとろうとするが昨日の事を思い出すと顔がにやけてしまい、まともに食べることが出来ないでいた。
俺はそんな状態でなんとか食事を終えると、今日は街で買い物をする予定なのだがその前に冒険者ギルドへ行こうと考えていた。
この世界で俺が生活する為にお金を稼ぐ為である。
しかし、この世界に来た当初考えていたよりも俺はかなりの額を持ってきては
いるのだがそれでもやはり心配なのである程度は稼いでおいた方がいいと考えたからだ。
「ミハル。今日は用事があるので冒険者になろうと思うのですが、一緒に行きませんか? 一人だと何かと不安なんですよね」
と俺が提案すると、ミハルは首を傾げていたのが、しばらくして理解してくれたのか、
「もちろんついていきますよ」
と快諾してくれた。
俺は宿屋を出て冒険者登録をしている場所へと向かって歩いていった。
ミハルは相変わらず元気で俺の手を引いてくる。
俺はそんなミハルを見て微笑ましく思うとそのまま手を引かれて歩いく。
そして、冒険者の館に到着すると早速、俺は中に入る。
するとカウンターの奥にいた女性が俺達に気づくと笑顔で出迎えてきた。
「いらっしゃいませー! 初めての冒険者の登録でしょうか?」
受付の女性の笑顔に俺とミハルもつられて笑顔になったところで、
俺達は冒険者としての登録を希望すると女性は、手続きを始めた。
ちなみに冒険者にはEからSまでの7ランクあるらしく、
俺はBまでであれば試験さえ受ければなれるようなので、
早速俺達をDランクから始めてもらえるよう依頼を探してもらうことにして待つことにする。
20.
待っている間に女性に質問する事にした。
なぜ俺達がここを訪れたかというと、俺達は元々この大陸出身ではないのでそれぞれ別々の場所で召喚されてこの場所に流れ着いたのだという。
しかし俺達はここで、勇者のパーティから追放されたということになっているのがまず第一に確認したいことだったのだ。
俺は、ミハルの事は気づかれてはいないだろうと思いつつ慎重に行動しようと考えて
ミハルと別れると、俺は一人で職員に話しかけることにした。
俺がカウンターに行くと、先程話しかけてきた女性の横にもう一人の男性が座っていて俺は二人に話し掛ける。
どうやらとり合ってくれるようだったのだか…… 男性の方が話しかけてきた。
俺は、彼に答えようとしたがそれよりも早く彼が言葉を発したのがわかった。
(これは一体どういうことだ!?
俺はこんな場所に呼び出されたりなんてしていないぞ)
と思っていると彼は俺達を見渡してから言った。
(お前たちは誰だ? ん? これは……転移魔法だな……おい!
そこの娘!! お前は何者でどこから来たんだ!!!)
(なんのことですかね……)
(しらばっくれるんじゃねえよ)
と言い放った男の声色からは敵意しか感じ取れずこのまま会話を続けていいものなのかと考え始めたとき
(まあいいさ。そのうち必ず正体を暴いてやるぜ)
といって去って行ったようだ……
(あの男はなんだ? 何を言っている)
と考えている間に逃げなければという思いが強くなって俺は走って逃げた。
(待てこらっ)
後ろの方では男が叫んでいたがとりあえず無視だ!
俺はひたすら走った。
俺は走ることに夢中になっていたようで気がつけば街の外に出ていて、
森の中に入っていた。
俺の足が遅いのか、それとも男が早いのか俺を追いかけてきては 何度も呼び止めようとしていたのだが俺は、森を走り抜けるのを邪魔されないために結界を張ると
走り抜けたのだった。
結局俺は一度も振り返らずに追いかけられることも無かったのだが俺の息が切れて倒れ込んでしまうと後ろには一人の少年が立ってこちらを見ていたのに気づいて
俺は驚いてしまった。
なぜならそこに立っていた人物は俺と同じ黒髪のおかっぱの男の子がいたのだ。
俺はその子を見たときになぜか涙が止まらなくなってしまった。
どうしてなのか分からないけれど、きっと寂しい気持ちもあったせいだと思うのだが、突然泣き出した俺を見て彼は困惑しながらも近づいて来ようとした時、
「えぐぅ、ひっく……あうぇい……うわああぁぁぁぁあん」
俺はついに大声で泣いてしまった。
すると彼の方からも嗚咽の声が聞こえてくるとそのまま二人で抱き合い泣いたことで俺はだいぶ落ち着きを取り戻したのだった。
俺が落ち着くと俺達のことを改めて紹介することになったのだがお互い名前を名乗ると すぐに打ち解けて色々な話をするようになった。
そうして話していると俺はミハルの事が恋しくなってきたので一旦戻ることに決めた。
彼もミハルのことが心配だったので戻ろうと提案した。
俺が帰る手段を聞くと俺を案内するからついてくるようにと言ったので俺もそれに従うことにした。
俺は黙ってついていくとその道中で、俺のことを気にしながら
「本当に大丈夫なのかな?」
と独り言のように呟いていた。
俺はそれが妙に引っ掛かったので尋ねてみた。
彼は少し悩んだ素振りを見せてから 事情を話し始めるとそれは、とても悲しい物語で、彼自身が主人公であり、とある国で奴隷のような生活をしていたことや、そこで起きた理不尽なことへの不満などを俺に打ち明けてくれた。俺はそんな彼を励ましてあげたかったがそんなことは出来なくてただ隣にいるだけで精一杯のことだった。
そうして俺達はようやく村に辿りつくと俺とユウトで別々にミハルの家に入る。
ミハルの両親にミハルが無事なことを告げて安心させると、ミハルは疲れて寝てしまったので、俺は自分の部屋に戻りベッドに入るといつの間に眠っていたのかわからないくらいに深い眠りについていた。
目を覚ました時には既に外は明るくなっていたので俺は着替えてから大広間に向かった。
21.
そこにはすでに皆が集まっており、ユウトが挨拶をしていたところであったので、俺も参加することにしたのだが、ミハルはどこかに出掛けたようだったが俺を見つけると俺の元に走ってきて笑顔を見せてくれた。
それから朝食をとることになり、ユウトが昨日はごめんなさいと謝ってくるがユウトは悪くないので、問題ないとだけ伝えると、ミハルもそれに便乗してくる。
俺も許すことを伝えると嬉しそうな笑顔を見せた。
俺は朝食を食べるとそろそろって時間が来たので準備を始める事にした。
「ミハルは先に俺の部屋で待っていてください。終わったらすぐに向かうので」
「わかりました!」
と返事をして先に部屋に行ってくれると俺は支度を始めていった。
俺の準備は簡単に終わってしまったので、少し余裕をもって向かうとちょうど良い時間で扉を開けるとミハルがソファーに座ってお茶をしていたので、声をかける。
すると、俺を見つけた途端に嬉しそうな表情で駆け寄ってきた。
それからしばらく雑談をしていると俺はそっと、ミハルのお腹に触れてみると確かに柔らかい感触があって感動してしまったが、
「もう! いきなり何するんですか」
と言われてしまう。
「ごめんなさい」
と俺が慌てて謝罪すると俺があまりにも悲しそうな顔をしていたのだろうか、俺の顔をみて微笑むと頭を撫でながら
「そんなに落ち込まないで」
と言ってくれたのでその言葉でまたミハルを抱きしめたい衝動に駆られそうになる。
なんとか我慢するがどうしても我慢できなくなったので、ミハルの肩に手をおいて俺から離れられるようにするとミハルの頭を掴んで引き寄せるとキスをした。
俺がミハルと唇を重ねていると、最初はミハルが驚いたように体を強張らせていたが次第に体の力を抜いて俺に身をゆだねてくれると俺が口を離すとミハルが物足りなさそうな顔をしながら俺に問いかけてきた。
俺はミハルと視線を合わせられないでいたのだがそれでもミハルの期待には応えたく思ったのでもう一度口づけをする。
今度はミハルから求めてくれて俺とミハルは互いに舌を入れて絡み合わせるようなディープキスを行い続ける。
しばらくした後俺達は離れるとうっとりした顔で見つめ合う。
それからはお互いに愛を確かめる行為を続け、俺とミハルはそのまま二人でベッドへと向かうのであった。
俺と、ミハルとの愛の営みはしばらく続いて俺の愛欲はミハルの愛によって受け止められ続けたのだった。
それから俺達はまだ満足できないでいたのでしばらく行為をし続ける。
俺達が体を重ねてしばらく経つとようやく収まったので俺達は下着のままベッドの上で並んで座っている。
俺の腕の中にミハルがいるので俺は幸せな気分に浸れると同時にこれからミハルがこの腕の中から消えないでくれと
願わずに入られなかった。
俺はそんなことを考えながらも、
ミハルを抱き寄せると、
「ミハルはずっと俺と一緒にいてくれますよね? 俺から逃げようとしないですよね?」
俺がそう尋ねると、ミハルは不思議に思いつつも俺の言葉に答える。
しかし、俺に急にそのような事を聞いた理由を説明することは無かったが 、俺はそれを問いただしたりすることもなく、 俺はしばらくの間、ミハユの温もりを
堪能するのだった。
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