お前は可愛い奴だよ

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お前は可愛い奴だよ

2人してテーブルに並んた料理を全て完食した、どちらかというと俺が1人で食べていて葵生は俺が食べる所をニコニコしながら見ていた! ほんとに美味しかった。 今まで長い付き合いであいつが料理をするなんて聞いたこともなかった、あいつは一人暮らしを始めた俺といつか元のようになれたら、一緒に食事をすることを想定して料理の練習をしたと言った。 あいつの俺への心遣いがいっぱい入った餃子がたまらなく美味しくて俺はまた涙が出そうで立ち上がって空になった皿を流し台へ持っていった! あいつは俺が口を聞かなくなったあの日からずっと俺がいつかまた話しかけてくれると信じて待っていたと言った。 俺の狭量な気持ちに比べてなんて心の広い奴なんだ、これじゃあモテるのもわかる気がする。 完全に俺の完敗だ・・・・・ 「葵生お前大学で好きなやつできた?またいろんなやつと付き合ってんの?」 「何言ってんだ・・・・誰とも付き合ってないよ、お前の事が好きだって言ったろ」 「それにしては高校の時は手当たり次第だったじゃん、あんなお前を見てた俺の気持ちわかる?」 「なんだそれ、高校んの時も誰とも付き合ってないよ告られてはいたけど・・・・」 「ハァッ?今更かよ 誰とでも付き合うって有名だったくせに」 「付き合っては無いよ・・・・誰とも・・・・・女子が付き合ってるって言ってただけだろ」 「ふ~~んもてる奴は言う事が違うね」 「さっき俺の気持ち言ったよね」 「なんだっけ?」 「悠のこと好きだって・・・・・・お前が告ったのと同じ意味だけど・・・・・・聞いてた?」 「聞こえてたよ・・・・・・俺は前言ったからもう言わない」 「もう一回聞きたい」 「嫌だ・・・・・・・」 「あれから気持ち変ってない?」 「かわってねーよ俺って諦め悪いんだよな・・・・・・お前に告って笑われたのにさ」 「だから・・・・・・笑ってないって・・・・・・」 「はいはい・・・・・・わかったから」 「これから元通りって思っていいんだよね」 「うん」 「悠ずっと好きでいてくれてありがとう」 「なんだよ・・・・・・そんなこと言うな・・・・・・俺の方こそ・・・・・・・ずっと好きでいてくれてありがとう」 俺の勘違いから始まった苦しい1年半が終わった・・・・・・・ 「お前さ・・・・・・俺の大学とかマンションとかってどうやってわかった?」 「絵里子さんに聞いた」 「エッおふくろ?」 「そう・・・・・俺ずっと絵里子さんに情報聞いてた」 「いつから?」 「うーん お前が口きかなくなったあたりかな・・・・・   あの頃お前がなんで怒ってるのかわからなくて・・・・・・そんなとき絵里子さんに偶然会って、お前となんかあったのかって聞かれたから・・・・・・・お前から無視されてるって言ったら・・・・・・・気にしなくていいって言われて大学も同じとこ行きたいから教えてもらってマンションも教えてもらった」 「マジか?おふくろは俺にはなんも言わないでお前とタッグ組んでたってことか・・・・・」 どうやら俺は一人で無駄の限りを尽くして寂しがっていたのだった、葵生は何とか俺の気持ちが元に戻るまで辛抱強く待っていてくれた。 こんな勝手な俺を・・・・・あの日もう少し俺が落ち着いていたらこんなことにはならなかったのに・・・・・ でももうこれからはずっと一緒にいる、絶対離れるもんか・・・・・ 「葵生さ、これからはずっと一緒にいような」 「もちろん、朝も一緒にごはん食べて学校へ行こう」 「うん 俺お前と話さなくなってから一人で頑張ってこの大学へ合格したんだ、凄いだろ」 「ほんと悠は凄いよ、俺ずっとお前を見てたんだ。頑張ってるなぁって」 「マジ?お前に褒めてもらいたかったのかもな、いつもお前の事考えてたから」 「そうなのか?」 「まぁね、何をするにもお前の事が気になってたんだ、無視してたけど」 「ほんとお前は・・・・・・」 「バカだって言いたいんだろ、分かってるって」 「いや、お前は可愛い奴だよ」 「なんだよそれ」
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