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クラス替え
新学期が始まってまず最初に見るのはもちろん何組かってこと・・・・・あいつと俺は・・・・・・・
別々になった・・・・・・おれは2組あいつは1組、俺の友達は全員2組で一緒だった。
3年のクラスは基本成績で決まる、だから別れるだろうと思っていた・・・・これでよかった。
これでもうあいつの顔を見なくて済む・・・・・このまま大学へ行ってあいつは常に成績はトップだから俺とは同じ大学に行くことはない・・・・・そうなればそのまま就職して完全に忘れられる・・・・・
3年は大学進学がメインになってくるけど俺だってあいつからバカにされるのは嫌だから絶対頑張ってあいつが驚くくらいの大学に入ってやる・・・・・
クラスは2年からの友達が多かったから慣れるのも早くて快適だった・・・・・・
時々あいつが廊下を歩くところを見かけたけどあいつがこっちを見ることはなかった・・・・・・俺の方は・・・・・・気にしないと言いながら結局大学の事にしても勉強や試験にしても、必ずあいつが俺の前に立ちはだかっていた・・・・・・。
無視するだの口をきかないなどと言いながら・・・・・気にしてるのは俺の方であいつはとっくに俺のことなど気にしてなかったという・・・・・負け犬の気持ちを引きづっていた。
あいつとは幼稚園から仲良くてそのころは俺の方が大きかったから俺が守ってやる的な感じだったのに・・・・・・中学になってからあいつの身長は俺を追い越して、スポーツも勉強も俺よりずっと上だった・・・・・
それでも朝は必ず迎えに来た、体育服とか給食袋とか荷物が多い時はあいつが持ってくれた。
俺が守ってやるって言ってたはずがすっかり守られて・・・・・・それを快適だと思っていたけど、あいつはどう思ってるかなんて想像したこともなかった・・・・・もしかしたら面倒な奴って思ってたかもしれない。
高校に入ってすぐに中学からの先輩が俺のところに来て、バスケのマネージャーやってくれないかって言ってきた。
俺は部活には入ってなかったしバスケは好きだったけど運動は苦手だったからマネージャーなら嬉しい誘いだった。
先輩はその代わりあいつを一緒にバスケに入部させてくれって言われた・・・・・・お前が入ればあいつも入るからって・・・・
そういえばあいつはスポーツは好きだし何だってうまくて勧誘も多かったのに部活には入っていなかった・・・・・・俺が入ればあいつも入るだろうって先輩は考えたのかもしれない・・・・・
俺はマネージャーやりたさにあいつをバスケに誘った・・・・・・俺がマネージャーやるって言ったら入部してくれた。
先輩は大喜びで俺に礼を言ってマネージャーにしてくれた。
結局俺はあいつをバスケに入れるための当て馬だったんだけど・・・・・あいつがバスケするところはカッコいいし見ていられるなら何でもよかった。
バスケ部はあいつの活躍で県大会でも優勝して他校の女子まであいつを見に来るようになって俺にしてみれば藪蛇だった・・・・・・
3年になってあいつはバスケ部のキャプテンになった、俺は今もマネージャーをやっている。
もてるあいつは常に女子が途切れたことがないくらい、いつも女子と一緒にいた。
あいつは告白されれば全員と付き合うってくらい誰とでも付き合った・・・・・・重複しててもいいからって言われたとかで・・・・・・俺は誰か一人に決められるよりは気が楽だったけど・・・・・
もてるってそうゆう事なんだろう・・・・・・誰でもいいとか言われたら俺には無理だと思った。
あいつがもてるのが嫌って言うより・・・・・俺はそんなあいつを一人占めしたかったんだと思う。
告白したのもあいつが誰とでも付き合うのをやめさせたかったのと女子と一緒にいてほしくない、俺だけを見ててほしいって言う一人占めしたい感情だった。
ていよく笑われて撃沈したけど・・・・・・・俺は今でもやっぱりあいつの事は特別に思っていた。
いつか大人になって青春時代の思い出になった時あいつと又話ができたら・・・・・・仕事とか結婚とか子供の事とか・・・・・・そうなったらいいなと思う。
そうなれたとしても当分先だし今は受験に向かって勉強するかって自分に活を入れた。
春休みに復習したかいもあって俺の成績もいいところまで伸びてきた・・・・・・あいつがいなくても俺はしっかりと勉強できてるってあいつも思ってくれてるかな~~なんて・・・・・いつもあいつを意識していた。
今は同じ高校だから意識してるけど大学へ行ったらもうあいつは居ない・・・・・そうなったら思い出す事もなくなる・・・・・そう自分に言い聞かせた。
3年の1学期が終わる頃には俺の成績はいいところまで伸びてきた・・・・・・夏休も塾へ通ってもっとレベルを上げることに専念した。
勉強に専念する事であいつの事を少しでも追い払いたかった。
俺は今でもやっぱりあいつの事を少なからず考えていた・・・・・・・。
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