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いつもと違う葵生
風呂から出るとテーブルには美味しそうな夕食が出来上がっていた、俺の好きなものをいつも作ってくれる葵生。
ビールを飲んでおいしい料理に舌鼓を打って、心配事がなければ最高の週末だった……
「おいしかった、ありがとう!片づけは俺がやるから風呂入って来いよ」
「うん」
そう言って風呂場へ消えた、キッチンで片づけをしながらこれまでの自分たちのことを考える、何も不満はなかったし、不審に思ったこともなかった。
合コンのことがなければ今頃は1週間ぶりの葵生との熱い触れ合いに胸を熱くしていただろう。
俺にとって最後の夜になるかもしれないと思うと、葵生を手放す虚しさと寂しさで息も出来なくなるほど苦しくなる。
葵生の激しいけれど優しい口づけが思い浮かぶ、思い出した途端鼻の奥がツンと痛くなって部屋のすべてが滲んでぼやけた。
葵生と別れることなどできない----------------
耐えようとしてこぼれた涙が頬を伝わっていく-------
葵生は風呂から出ると腰にバスタオルを巻いて髪を拭きながら出てきた、これまでそんな格好で出てくることはなかった・・・・・肩から胸までの筋肉そこから続く腹筋が男の俺でも見とれてしまう。
特に運動はしていないはずなのに、男らしく厚い胸板広い肩幅が魅力的だ、きっと女なら誰だって惚れてしまうだろう。
こんな格好で出てきた葵生を憎らしく思う自分がいた、もしかしたら女と一緒に居るときこんな風に風呂から出てくることがるあのかもしれないとさえ思ってしまう。
「葵生今夜はどうした?」
「どうしたって?」
「だって・・・・いつもパジャマ着てくるのに、バスタオル巻いたままって、俺を誘ってるのか?」
「だったらどうする?」
「・・・・・・そんな恰好女が喜びそうだな」
言わなくていいことを言ってしまった・・・・・気が付いたら葵生はすぐそばまで来ていた。
「悠お前なんか変・・・・・立てよ」
唇の感触を確かめるように優しく触れた、開いた隙間から舌が入れられ口内を動き回る。
俺は葵生のキスが好きだ、世界が自分たちだけになったような気がする・・・・足元でチャチャがじゃれついていた。
葵生が俺の前に膝まづく、スエットと下着を一気に下すと濡れた昂ぶりが露になる・・・・・葵生が口に含む・・・・ひどく卑猥な姿から目が離せなくなる。
上から葵生を見下ろす、ゆっくりとした動きで口の中に差し入れされる俺の屹立・・・・見ているだけで胸がトクンと跳ねた。
膝が震え立っていられなくなって葵生の肩に手をかけて耐える・・・・・絶頂はすぐに押し寄せ葵生の口の中に吐き出してしまった、葵生はそれを音を立てて飲み下した。
「葵生ごめん、我慢できなかった・・・・」
「悠・・・・お前のものならなんだって構わない」
「葵生・・・・・そんなこと言うな・・・・・今夜のお前はいつもと違う」
「いいから・・・・もっと気持ちよくしてやる」
そう言うと葵生は敏感になった俺の先端を包むようにギュッと握って扱く・・・・・・好きな人の体温が気持ちよくてあっさりと二度目の欲望を葵生の手に吐き出した。
今夜は葵生から攻められてばかりだ・・・・・全身の産毛が逆立つようにぞわぞわとした感覚。
葵生は俺を抱き上げると寝室へ向かった・・・・・腰のバスタオルがハラリと落ちた。
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