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金曜までの一週間で覚悟を決める俺
いつもと違う葵生に散々喘ぎ俺の身体は悲鳴を上げた、日曜は半日寝て過ごし最後の週末が終わった。
月曜からはいつものように仕事をして、終わると葵生を迎えに行って一緒に帰る日々が続く。
葵生から合コンの話は出てこなかった・・・・どっちにしろ金曜になればすべてがわかる。
その時俺はどうするか・・・・・もう決めてある。
葵生の意思を尊重するなんて言いながら実のところ現実を受け止めるのは怖かった・・・・だがそれもあと数日で結論が出る。
決めたくなくても俺の気持ちに関係なく時は過ぎ葵生の気持ちは俺から離れて、誰かのもとへと向かっていくのだ。
これまでの一週間何度となく自分に言い聞かせた・・・・・葵生を苦しめるのはやめよう、みっともなく葵生の前に醜態を晒す事だけはしない。
木曜日、脇課長から明日飲みに行かないかと誘われた、明日の夜は葵生が合コンに行く日だ、ひとり部屋にいるより飲みに行こうかと考えたがやめた・・・・・明日は家にいて葵生の帰りを待つことにした。
葵生がどんな顔で帰ってくるのか分からないが大事な夜には変わりがない・・・・・葵生は帰ってこないかもしれない、気に入った子がいれば当然そうなることはあり得る。
帰らない葵生を朝まで待つ自分を想像する……きっと泣きながら朝を迎えることだろう、そして帰ってきた葵生ににっこり笑って「お帰り」と言う……
考えただけで胸が詰まる思いがする……
金曜の朝葵生と一緒にマンションを出る、今夜葵生は何と言って合コンへ行く気なんだろう。
仕事が終わらないから先に帰ってくれと言うのだろうか?
無理な作り笑いで一日を過ごし、頭の中は葵生のことでいっぱいだった……
夕方になって仕事がひと段落したころ、葵生からメールが来た……心臓の鼓動が激しくなる。
とうとう来たと思った……葵生からのメールを開けると「今夜は先に帰って、少し遅くなる」
そう書かれていた、思った通りのメールだった……
何も聞かず「了解」とだけ送った……すぐに既読になる。
葵生からは何も言ってこなかった……
仕事が終わって駐車場へ行く、車に乗ってマンションへと向かった・・・・誰もいない週末のマンション。
駐車場に車を停めて葵生を思う……
きっと今頃葵生は合コンへ向かっていることだろう、出会いと期待に胸を躍らせているのだろうか?
葵生がどんな顔をしているのか想像できなかった……あの葵生が女と笑って話すところを見たことがない、高校時代も無視しながら葵生が気になって女子といるところは何度も見たけど、嬉しそうに笑ったことはなかった。
そんな葵生を見てホッとした自分がいた……葵生の好きなタイプはどんな女なんだろう……優しくて美人で聡明で……きっと葵生を包み込むように愛する女だろう……
女に愛される葵生……女を抱く葵生……女の身体を抱きしめてそっとキスをする葵生……優しく服を脱がせ、柔らかな胸を愛撫する……ふっくらとした胸の突起に唇を当て口に含んで強く吸う……喘ぐ女が声にならない声を出す……女は葵生に胸を突き出し愛撫をねだる……答えるように激しく乳首を摘み両手で二つの膨らみを揉みしだく。
自虐的に葵生の痴態を想像して胸を焦がす……葵生が好きだった、子供の頃からずっと好きだった……
このままどこかへ消えてしまいたい……もう二度と自分を愛する葵生には逢えない……
車の中で散々泣いてエレベーターのボタンを押した……開いた扉から自分の部屋へと歩き出す……
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