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「ところでその『光る染色体』ってのは何なんだ? 突然変異みたいなものか?」
「とんでもない。変異というよりは、もはや新種だ。こんな染色体を持つ生物は生物学上『ヒト』ではない」
「人ではない!?」
「ああ。発光する細胞を持つ生物は自然界に実在する。2008年にノーベル化学賞をとった下村脩博士の研究を覚えているか?」
「ああ、緑色に光るタンパク質を発見したんだったか?」
「そのタンパク質はオワンクラゲから発見された。オワンクラゲは体内に発光細胞を持つ生き物なんだ」
「光る死体はクラゲ型の宇宙人だったとでも?」
「この物証を見たら宇宙人存在説のほうが科学的に思える」
白石に促されて覗き込んだ光化学顕微鏡の中では染め出された『染色体』が青白い光を放っていた。
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