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「死体が実はクラゲだったとか、笑えない冗談だな?」
「笑い事ではないぞ。自然界で起こりうる変異でない以上、人為的なものだということだ。しかも個人レベルの問題じゃない。つまり大掛かりな組織的犯行だ」
「クソッ、俺のシマで何が起こっていやがるんだ?」
今にも暴れ出しそうな高橋を見て、白石は小さく息を吐いた。
「被害者三人の身元は判明したのかね?」
「ああ。みんなうちの所轄に住む独居老人だった」
「独居老人ばかり三人?」
「うちの区は一人暮らし率が高いからな」
「三人に共通点は?」
「いや、今のところ無いかな」
「もっと詳しく調べろ! 何かしらの接点があるはずだ!」
「いきなりどうした?」
驚く高橋には答えず、白石は深く考え込んでいた。
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