アルドア公爵家

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「公爵家の者でもありますが、アイリス嬢を慕う一人の男でもあるんです。」とアイリスを愛おしげに見つめた すかさずアイリスはフェミリアの背後に隠れた 「(気持ち悪いわっ…!!誰よ…!!)」 「…………アイリス、心の声が口に出てるわ」とフェミリアに注意されたことで、思わず口に出してしまっていたことに気がついた 「だって、お姉さま!変なやつなのは確定ですのよ?私、学園で悪女と名を馳せていたのに慕うとか…少々、いえかなりおかしな方ですわ…!!」 「アイリス、世の中にはさまざまな方がいるの。狭い視野で判断してはいけないわ。広い心を持ちましょう。」とアイリスの肩を優しく抱き、幼い子に諭すよう教えた 聖女であれは、嫌でも相談にのらなくてはいけないのだ。 まぁ、そのせいで汚い性格に育ってしまったのだが。 聖女というのは清いものでなくてはいけないのに、幼い頃から泥沼な話や政治絡みの案件の相談など乗ってきたのだ いやでも性格は汚くなるだろう。 「アイリス嬢、覚えていませんか…?」と悲しげにレオンは問いかけた 「なん、ですの…」とレオンの真剣な様子に、何かあるのだろうと察したのか真剣な顔つきへと変えた 「実は、隣国の公爵家の者だとバレないよう、密かに学園生活をしていました。にも関わらず従兄弟にはいじめられ、好きな女性に振られ続ける呪いでもかけてやりたいくらいでした。それに、自分がいかに傲慢であったかを知れたのです。」とレオンは悲しげに語った 「公爵家の者でしたから、いつも周りには人がたくさんいた。少しでも転べば皆過保護になってそれが面白かった。けど、この学園に来てからは王子にいじめられ、皆は心配そうに見るだけ…それは仕方ないと理解しています。王家のものに逆らうのはよしとされないですからね。けど、あなたは違いました。」とアイリスを真剣に見つめる姿は心からアイリスを愛していると証明しているようで、自分を挟まれて行われているのが恥ずかしく感じた すっ、と抜け、フリードの元へ向かいレオンのアイリスへの愛の告白をじっくりと聞いた (流石私の妹ね。大物を釣るだなんて。)なんて思うと笑みがこぼれた
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