アルドア公爵家

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「アイリス、すごいですわね」と隣にいるフリードのそう声をかけた 「あぁ、そうなのだが…あの従兄弟は中々濃い性格をしているんだ。アイリス嬢を任せられるか…というか、アイリス嬢の顔が…」と心配そうに見つめた 「あら……」 アイリスは般若も驚くほど真顔だった。その姿は神が人間を見捨てるような顔であった 「それがなんですの?もしかして、水をかけら濡れていたのを乾かしてあげたことでしょうか?」とイラつきながらアイリスはそう聞いた 「そうです」とレオンは嬉しそうに頷いた。アイリスに思い出してもらったことが嬉しいのだろう 「あぁ、あれならお姉さまだったら絶対そうすると思ったからですわ。普段の私なら助けませんが、お姉様が人に優しくありなさいとおっしゃっていたからそうしたまで。私に感謝の気持ちを抱くならお姉様がこの世に生まれてきてくださったことを崇め、喜んでください」と淡々とした口調でアイリスは語った (崇め、喜ぶとは…?) フェミリアは妹が言った言葉をいまいち理解できなかった 今のアイリスの姿はまるで聖女の狂信者だ 「ですが!「ええい!待て!」」とレオンが言葉を紡ごうとしたのを遮ったのは国王だった 「いつまでやるつもりだ!時刻はすでに23時!終わりだ!レイナートのことはおって決めよう!アイリス嬢への罰は隣国への4年間留学だ!その間にどうにかしろ!レオン!」と半ギレ状態で国王は決めさっさと退室していった 「なんとかなってよかったですわ」とエルレア近寄ってきた 「エルレア様、ありがとうございます」とお礼を述べた 「いえ、これからの将来この国を担う方達のことですもの。微弱ながらでもお力になれれば、と。良い方へ事が運びまそてよかったですわ」とエルレアは微笑んだ 「えぇ、そうですわね」とフェミリアも微笑み、ゾロゾロと会場を皆退出していった こうして、婚約破棄劇からフェミリアは幸せな方へと事が運んだ
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