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「貴様は国外追放だ!」とレイナートは叫んだ
「え!レイナート様!」と姉の国外追放にアイリスは焦って様子を見せた
「この国は終わるのでしょうか…」とエルレアは小さく呟いたが隣にいたフェミリアには聞こえていた
(確かに…レイナート殿下が国王の座に就けば…国は機能しなくなるでしょう。そのために私が王妃と、レイナート殿下の兄君が宰相としてレイナート殿下を支えるはずでしたが…)
アイリスが王妃になり、レイナートが国王…
(まぁ、レイナート殿下派の者はレイナートが国王になればいいだけなので王妃が変わったくらいじゃなんともありませんか。)
ふと隣を見るとエルレアがいなくなっていた
会場内を見渡すと衛兵と話しており、国王陛下を呼んできてもらうためだろう
ふぅ、と少しため息をつき、冷静になるよう心がける
「なぜ、国外追放なのでしょうか?国外追放は大罪を犯している者が受けるべき罰ですわ。私は大罪を犯すようなことはしておりません。撤回してください」と淡々と告げる
顔が整っている分表情がないのは少し恐ろしさを感じる
フェミリアの正論に少したじろいだ様子を見せていたが、勝ち誇るような笑みを浮かべた
「フッ。大罪を犯してないだと?際ほどから申しているだろう!貴様が真の聖女ではないということを!」とレイナートは高らかに声を上げた
「私も先ほどから、聖なる色は魔法では表せないと言っておりますが?」ポーカーフェイスを保とうとしていたフェミリアだったが維持が出来なかった
(殿下は先ほどから何を言っているの…?!)
レイナートの先程からの無知な発言に目を背けていたが、さすがに無視はできなくなってきた
「そんなの言い訳に過ぎないだろう!」
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