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1.虹蔵不見 (にじかくれてみえず)
11/23
わたし:小雪は「雪が降り出す」という意味ですが、12月の初旬までに東京で雪は降らないよね。虹蔵不見(にじかくれてみえず)は「虹が現れなくなる」という意味です。
なぎさ:虹は夏の季語だし、イメージに合うけど、冬には出ないのかな。乾燥してるから?
わたし:どうでしょうね。さて、恒例の3句行きましょか。
小雪の隧道より来る機関車や
なぎさ:隧道って?
わたし:トンネルです。山の向うには雪が降ってて、機関車が雪をかぶって出て来たという情景です。
なぎさ:なるほどー。小雪って頑張ったねー。
朝の田の小雪の玄霜の白
わたし:田んぼにまだらに霜が降りてるのを詠むのはいいけど、なぜ先に黒を言うの?
なぎさ:中の句に小雪を置く順番だから。
わたし:ぎゃふん。じゃあ、下の句行きます。
驟雨止み字幕も親し小雪や
なぎさ:映画館って行ってないね。
わたし:また今度ね。
インスタ(シトロン@葛飾)の方で予告したように生田緑地の日本民家園の写真を紹介します。
なぎさ:これって旅館?
わたし:原家住宅という民家で、明治時代の建物です。
なぎさ:すごいねえ。
この門のデザインもおしゃれだね。メインが直線的で、サイドのペアが反ってる。
わたし:切妻の棟門に、お供が主人の帰りを待つ場所が供待(ともまち)が付いた形ですね。この佐治家は250石の尾張藩士だそうで、それくらいの武士でもこういう美意識を持ってたんだね。
なぎさ:これは?
わたし:えっと、なんだっけ。
なぎさ:しょうがないなぁ。……直線の構成と色がいいじゃない。
わたし:茶室みたいな感じがあるよね。
なぎさ:これは何屋さん?
わたし:薬屋さんですね。次の写真もそうです。薬種商と造り酒屋はお金持ちで、街の重要人物なんだよね。
なぎさ:どうして?
わたし:必需品で、付加価値が高いからでしょ。
なぎさ:京都の町屋だともっと狭いのにね。どこの商家?
わたし:伊那街道の伊那部宿の三澤住宅だそうです。伊那谷を電車で旅したことがありますが、なかなかの秘境で鉄オタ人気の路線です。
中がこんなに立派なのに屋根は石置きの板葺きです。
なぎさ:何この石像?
わたし:左から道祖神、庚申塚、馬頭観音です。惹かれません?
なぎさ:ごめん。わかんない。
わたし:じゃあ、これは?
なぎさ:あ、つながった。
六地蔵褪せし鶏頭供えたり
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