泥酔と欲望

14/18
前へ
/67ページ
次へ
 面白半分というか、半信半疑の状態だった。  先輩の祐志の怒号を押し退けて、部屋に連れ込んでしまった。    俺達みたいな業界は、ファンの大半が女性を占めて、恋愛沙汰なんかリークされてしまえば、干されてしまう。  そんな危うい水面下で、恋愛ごっこをする事はスリルを味わえる。とは、どっかの馬鹿先輩に聞いた事があるけれど、その人も結局のところ、去年週刊誌に撮られて事務所を退所していたっけな。  危ない橋を渡るリスクを考えれば、椿さんという存在が非常に有り難い物だと実感する事が出来る。  本人曰く、大金を受け取る代わりに俺達四人を相手にするとは言っていたが....。 「なあ、お前もシタの?」  そっと耳打ちをして、波瑠に問いかければ、返事などする筈がなく。  密かに片方の眉毛を上げて、同意を示す。  この間、響と共に風呂場から出てきた時も、ぐったりして意識が無く、絶対に事後に間違いない。  俺なんか、初日であの人にされるが儘にイッたというのに....。いったいどんな事したら、あの椿さんが意識を失うのか不思議で仕方がなかった。  
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

224人が本棚に入れています
本棚に追加