百合田メロ

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キーンコーンカーンコーン。 本日14回目の鐘が鳴り終わると、生徒たちは各々の部活へと足を向ける。 体育の時間とその後の古文の時間をぶっ通しで不貞寝したわたしのメンタルは、それなりに回復していた。 いつもどおりの練習着に着替えると、わたしはいつもと同じトラックへと足を向けていた。 「おい今井。今日の部活いけるのか?体育休んだらしいじゃないか」 「はい。朝はちょっと貧血気味だったのですが、今は大丈夫です」 「そうか。無理はするなよ。よーしそれじゃあ今日も各自じぶんの種目の練習開始!」 「萌、いこー」 「うん」 ダッダッダッダッ。 美佳とわたしは、ふたりとも長距離をメインとして陸上部に籍をおいている。『最後まで一緒に走ろう』などということもなく、いつも、いつもどおり最後まで一緒にふたりで走るのであった。 「あのさ。わたしはあのメイクも似合ってたと思うよ」 「……。ピカソ?」 「自分でネタにするんかーい!……もう吹っ切れてる感じね」 「うん。ねたら平気になったー」 「寝てリセット大事だねえ」 「ねー」 ダッダッダッダッ。 「ねえ美佳。今度の休みにさ、原宿行きたいんだけど、どう?」 「え、いいじゃんいこー。大会の後かな」 「そうだねー後かなー」 「おっけーあとで予定みとく!」 「了解!」 ダッダッダッダッ。 ダッダッダッダッ。 ダッダッダッダッ。 ダッダッダッダッ。 ダッダッダッダッ。
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