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コンコン
起きて数分、うなだれていたところで部屋の扉が鳴らされる。
「わわっ。」
開いた扉の隙間から覗き込んだ見知った顔は大げさに驚いている。
「ああ、おはよう。美羽。」
「物音ひとつしなかったからてっきりまだ寝てるのかと思ったよー。」
起こしてきたのは一つ年下の妹の美羽だ。
学業優秀、スポーツ万能で容姿端麗。
実の兄が言うのもなんだが実の妹とは思えないほどに出来の良い妹だ。
「今日からわたしも同じ学校だから一緒行こ?」
そんな出来の良い妹は、何故か俺の通っている学校へ進学し、今日がその初日だ。
中学時代の担任からも県外のもう少し偏差値の高い学校を狙ってはどうか?と言われていて母から説得を頼まれたりもした。
しかし、そんな説得は
「えー、やだよー。
せっかく義務教育終わったんだし、もう気楽に通うー。」
との文字通りの気楽な一言で両親も根負けさせられていた。
「私もう準備終わってるからさ、早くお兄ちゃんも準備してよ?」
その言葉に合わせたかのように階段したからもう一つの声が聞こえる。
「伸也ー?
あなたも早くご飯食べちゃいなさい。」
「ああ。わかったよ。」
1階まで響くように少し声を張って答える。
「それでさ、美羽。」
「え?なに?」
「なに?じゃない。
そこいられると着替えられないだろ?」
「あ!ごめんごめん!
大変失礼致しましたー。」
美羽はそう答えると少し気まずそうに扉を閉めた。
クローゼットから昨日準備していた制服を手に取った。
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