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「えっ、僕が──?」
「私の洋服貸してあげる。お化粧したら、18くらいには見えるわ。身分証までは求められないから、誰かにエスコートしてもらって、カップルみたいにして入れば、男の子ってバレないんじゃない。英ちゃん可愛いから、似合うわよ!」
ユカは、早くもこの計画にウキウキし始めたように見える。兄の瞬も隣で頷いている。
「そいつはいいアイデアだ!」
「僕、やだ~女の子の格好なんて──」
確かに色白で、目が大きくて、女の子みたいに可愛いとはよく言われるが、それとはまた別の話だ。
「英、お前行きたくないのか」
「いや、行きたい」
「それしか方法ないぞ」
真面目な顔で、瞬兄さんからそう言われて、英は反論できなくなってきていた。
「──わかった──そうする」
「よし!それなら、ユカの家で着替えてから、一緒に連れてってやるよ。いいよな、ユカ」
「任しといて!」
「浩人に頼んで、英と一緒に入ってもらうよ」
「それから──英、ママには黙ってろよ。何か口実作って抜け出さないとな。映画とか、ユカの家でパーティとか」
「うん、わかった! 瞬兄さん、ありがとう」
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