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「浩人くんが来たわよ」
約束の時間通りに、ユカの家に浩人がやって来た。ミニスカート姿の英を見て、浩人は目を見張った。
「えっ、英ちゃんなの!すごい全然わかんないよ。完全に女の子に見える」
「そう、かな・・・?」
英は照れてしまって、何と言っていいのかわからない。浩人はまじまじと化粧した英の顔を覗き込んだ。
「可愛いな・・・柳瀬ルナにちょっと似てるよ」
浩人はアイドル歌手の名前を挙げた。
長い毛先は少しカールして、ワンピースの胸元で揺れている。ミニスカートからのぞく細い脚を、浩人は何度もチラチラ見ていた。
浩人の視線に気付き、英は膝小僧をキュッと閉じて、顔を赤らめた。くすぐったい気持ちだった・・・
※ ※ ※
人気の外国人バンドの、大阪での初ライブとあって、会場は盛況だった。
「行こうか」
浩人に手を引かれて、ライブハウスに入る。英は恥ずかしくて、浩人の肩に顔を埋めるようにしていた。
大学生のカップルと見られたか、メキシカンの入場は、難なくノーチェックで入れた。ユカの作戦は成功だった。
だだ、英はミニワンピースの足元がスースーして落ち着かない。早くライブを見て帰りたい気持ちになっていた。
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