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「・・・・・・・・・あ、凪。何か、誰かがいないような気がして、涙が・・・」
霞は一言呟くと、泣き声もあげずにただ涙を流した。
僕たちはそれを見て、泣きたくなった。
一日の疲れが一気に体と心に押しかかってきて、もう限界だ。
泣きたい、寝たい、休みたい・・・そんな感情が押し寄せてくる。
僕たちはそれから身を寄せ合ってその誰かを思い出そうとしたが・・・
僕たちはずっと思い出せなかった。
思い出せずに1時間、2時間と経っていき、僕たちは1つの結論に至った。
「・・・俺たち以外この世から消えたんじゃないのか」
確かに、凪が言った通りこの世から消えた人・・・つまり、架空の存在を
思い浮かべようとしても一生思い浮かばない。
でも、そんなことはあるのだろうか?小さな町だけど、一瞬にして全員が
消えるなどあり得るのだろうか?
「実際、写真立てやアルバムも無い。そう考えるのが一番早いけど、
論理的におかしいと思う・・・だってこんなこと、あるはずが無い・・・」
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