Dye All 染め上げろ

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 見上げた空は、灰色が少しずつ濃くなっていき鉛色とも言えそうな色になってきている。雨の匂いがしないからまだしばらく天気はもつだろう。  僕たちが思う存分プレイした後は、雨が降ってくれた方が運営の人たちは楽かもしれないな。何せ僕たちはこれから、。町を塗りまくった塗料をいくぶんかは雨が流してくれるだろう。  チームカラーである黄色の戦闘服を纏った僕の右手には、愛用の筆が握られている。もっとも、愛用とは言っても実際に手にしたのは今日が初めてだけれど。でも、それは僕だけじゃなく、隣で鼻息荒くシューターをあちこちに向けている巨体のボブも同じだ。 「ちょっと、私の方に銃口向けないでよ」 「どうせ中身は黄色の顔料とかなんだから、あたったって死んだりしないよ。そんなにビビってちゃ、すぐに倒されちゃうぜ、ソフィア」 「はあ? 誰がビビってるのよ。さっきからボブの鼻息がうるさくてイライラしているだけよ。私は楽しみで仕方ないくらいなのよ」
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