子育て終わりの一つの夫婦の形。

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妻からメールがあって考えてるうちに1ヶ月が経ってしまった、、 時間がかかればかかる程、何て返事していいか分からなくなってしまい、きっかけを失った。 でも俺の会いたい気持ちは変わらなかった。 別に何かを望んでる訳じゃない。 ただ会いたい。 きっかけ、、、 きっかけ、、、 って言うてる間に時間だけが過ぎて行ってるだけじゃないか! 俺は腹を据えてメールをした。 「今度飯でも行く?」 うん。多分、怪しくない。 無理って言われたら時間の都合が合わなかっただけ、と自分を慰めればいい。 出来れば 「嫌いだから無理。」 というのだけは勘弁して欲しい。 いや、嫌ってはいないとあの時言ってたからそれは多分、ない、はず。 スマホがメール受信通知をする。 妻からだ。 相変わらず判断が早い。 俺は恐る恐るメールを開いた。その中身は相変わらずの彼女のあっけらかんさが出ていた。 「行く行くーー!久しぶりだねぇ!いつ行く??楽しみ!」 俺は心底ホッとした。 今まで悩みに悩んでいた1ヶ月は何だったんだろう。 それから時間を合わせて妻と食事をした。 待ち合わせて顔を見るまでは変にドキドキしっぱなしで緊張していた。 けれど顔を合わせた瞬間、以前と変わりない笑顔をしていた妻を見て、やっと肩の力が抜けた。 二人きりで外食するのは子供がとても小さい時に両親に預けて行った以来だ。 懐かしいな。 あの時は確かに恋愛感情はあった。 何かくすぐったかった。
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