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「ちょっと意味が分からない。」
旦那が言う。
まぁそうだろう。分からなくもない。
「つまり俺は用済みって事?」
、、、、まぁ白黒つけるんだったらそういう事になるかも、、、でも流石にそれは言えない。
私は努めて明るい感じで
「違う違う、ほら、第二の人生?的な?パパだって恋人作ったり、自由を謳歌したり、既婚者だったら出来ない事が出来るんだよ!前向きな離婚!」
あえてポジティブな選択を試みたが、旦那には響かない。
「つまり、お前が恋人作ったり、謳歌したいって事だよな?既婚者だったら出来ない様な事、、」
あちゃぁ、やっぱりネガティブかー。
予想はしてたけど、彼は世間体命だからなぁ。離婚という響きはどう考えてもネガティブにしか聞こえないんだろあなぁ、、
どうしたものか、、、
「今でも殆ど俺は家にはいないし、お互い独身みたいなものじゃん。今更そんなおおげさな事しなくてもさ。それともそんなに俺の事嫌いだったの!?」
旦那の言葉の後半はちょっと前のめりだった。
「いやいや、感謝ばかりで嫌いなんて感情微塵もないよ。」
これは本心。
でも好きでもない。それも言えない。
「うーん、何ていうかパパとは出会いから直ぐ親になって、お互い恋愛感情もなくて、今まで必死だったじゃない?子供には父、母揃っていた方がやっぱり良かったし、でもさ、子供が巣立ったらさ、何か、こー、、自分を生きたいみたいな、さ、、、」
上手く言えない。
上手く言えるはずがない。
だってこれと言った事情がないんだもの。
嫌いなら嫌いで済むはずだし、嫌いだから離婚する!って心にもない事言ったら早いのかも知れない。
とはいえそこまで言う根性、というか面倒くさいのも嫌だ。
何が嫌いだったのかも説明しなくてはならないし、、、
【何となく離婚】
はダメなんだろうか、、、
私は離婚して別にやりたい事はなかった。
だから離婚理由を問われても答えがないのだ。
ただ、誰かの妻、嫁、母という肩書きを捨てて、一個人として扱われたかったし、名前を呼ばれたかっただけなのだ。
それは理由にはならないのだろうか?困った。
育児はしっかりやってきたつもりだ。
たまに帰ってくる旦那の相手も妻としてした。親戚付き合いもちゃんとやった。別に嫌ではなかった。
でもそれは全て子供が円滑に生活していく為の通過点にしか私には過ぎなかった。
だからきっと誰にも分からない。
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