67人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は今幸せだと思う。
離婚はしたが、好きだと思える女性の側にいられる事がこんなにも嬉しい事だとは全く思いもしなかった。
確かに肉体関係があればなお良いであろうが、肉体関係だけが目的ではないという証明をしないと彼女はきっと俺に落胆する、絶対する。
一応毎回ジョークで誘ってはみるものの、ジョークだ、うん。ジョーク。
まだそこまでには至らない。
でもだからこそ見える物がある。
夫婦でいる時は何となく、当たり前の様にしていた営みがとても無機質に思えて来る。
逆にそれがないぶん、いかに彼女に喜んで貰えるか?笑って貰えるか?側にいて貰えるか?
俺が努力を止めるとこの関係はすぐに消滅する。
離婚して初めて分かった、当たり前が世の中にはない事。
大事ならその分手間隙をかける事、思いやる事。
しかし、彼女は奔放だから心配だ。
夫婦の時はあぐらをかいていたが、俺より魅力的な異性なんて腐る程いる。
だから俺は絶えず努力して振り向いて貰うしかないのだ。
充分に分かった。
何回かの食事をした時に、やっぱり俺は妻でなければダメだという事が。
彼女がどんなに俺の中で大きかったか、頼っていたか、慰められていたか。
繋ぎ止められる子供はいない。裸一貫からの勝負だ。
中々会えないのが初めて辛いと思った。
だから理由もなく電話してしまうし、メールをしてしまう。
いつもそれを察して話題を結局ふってくれるのは彼女だが、、、
別にいい。本当は。友達であろうが、恋人であろうが。彼女が笑ってくれて、俺が側にいててもいいんだって思ってくれるのなら、それで、いい。
きっと、そしていつか身体を重ねる事があったら、、、(あればいいなぁ。)
俺は全力で愛を伝えるんだ。
感謝と共に。
まさか元嫁と【お友達から】なんて起こるとは思わなかった。
きっと周りに言うとからかわれるかも知れない。
でも、大事に捕まえておかないとならない時は周りなんてどうでもいい。
逆に周りに流されたからと言って、俺の好みに合う女性を周りが提供してくれるのか?
な、わけない。
なら自分で掴み取るしかない。
だいぶ時間はかかったけど、本来の俺、本来の彼女を見る事が出来て、幸せと言わず何て言えばいいんだ?
でも、この気持ちを理解してくれるのもきっと俺をよく知る彼女だからだ。
おれは、いつか、元嫁と恋人になりたいと思っている。
いつかは分からないけど、それはそれで焦らなくてもいい。焦る必要もない。
この歳で、俺達にしか出来ないルートを歩むんだ。
俺は離婚して良かったと今なら言える。
終。
最初のコメントを投稿しよう!