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リリーはすぐさま気配を消す魔法を身に纏い声の方向を見た。
「あれは……」
白馬が何かに怯えるように立ち上がる姿と、白と金を基調とした遠目から見ても豪華な馬車が黒い人影に囲まれているのが見えた。
月が見え始める時刻の今、襲っている側は身元がバレないよう黒い服を纏って襲っているのだろう。その手口は盗賊だと瞬時に理解したリリーは――にんまりと笑みを広げた。
「私にはこういう仕事が似合っているのよ」
腰のリボンの裏に隠していた小刀を取り出し、不敵に笑ったリリーは馬車に向かって駆けだした。
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