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〈takaomi〉
「お疲れ様です」
昴と別れたあと、事務室に行くと、同じ大学の1年先輩、工藤友則がミーティングテーブルでコーヒーを飲んでいた。
「おう、お疲れ」
貴臣もディスペンサーでコーヒーを入れ、工藤の隣に腰かけた。
「お前のクラスは気楽でいいよな。こっちはもうみんな殺気立ってるから。注意すると落ちこんで、ばっくれる奴もいるし。ったく、いまどきの受験生は繊細すぎだっつーの。俺なんか、受験期も入学後もどんだけの罵詈雑言を浴びてきたか」
「そうですか。そこいくと俺の受け持ちはたしかに気楽ですね」
貴臣は適当に相槌を打って、話を強制終了した。
この人、話、長いから。
愚痴に付き合ってたら、昼メシ食べそこねそうだ。
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