第二章 例外

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 休憩時間になると、昴になんとか話しかけようと手ぐすねを引いていた女子たちをしりめに、彼はついっと部屋の外に出てゆき、授業が始まるまで戻ってこなかった。  そして、授業が終わると、真っ先に帰っていった。  他のメンバーと交流する気はないらしい。  彼も自分と同じで、人付き合いが苦手なタイプなのかもしれない。  と、思ったとき、なんとなくそれを望んでいる自分に気づき、苦笑した。  くだらない考えだ。  彼と自分は通じるところがあるんじゃないか、なんて。  そんな調子で1週間が過ぎた。  初日と同じく、昴は毎朝、貴臣よりも先に来て、待っていた。  貴臣が「もっと遅く来ても間に合うよ」と言っても「この時間が都合いいから」と頑なに時間を変えなかった。    それにしても、昴の吸収力は驚異的だ。    やはり地頭がいいのだろう。  貴臣のアドバイスをとても素直に聞き、そしてすぐに自分のものにしてしまう。  初日のデッサンは見られたものではなかったが、目に見える速さで上達している。
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