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「同じチェーン店が学校の近くにあるんだけど。チャーシューがめっちゃうまいんですよ」
暖簾をくぐりながら、昴はそう説明した。
たしかに美味いラーメンだった。
麺は細からず、太からず。
丼から溢れんばかりの自家製チャーシュー、ほうれん草、メンマ、それに煮卵。
定番な取り合わせだが、とにかく鶏ガラで取ったスープと昴おすすめのチャーシューが最高にうまかった。
昴は高校生男子らしく、豪快に麺を頬張り、スープをすすり、あっという間に平らげた。
「あー、うまかった」
「もう一杯ぐらい行けそうだな」
「いや、もう腹一杯。ね、チャーシュー、絶品だったでしょ」
「そうだな。たしかにうまかったな」
会計を済ませて表に出ると、昴はペコっと頭を下げた。
「ごちそうさまでした。あー、思い切って、先生に声かけて良かった」
「家はどこ?」
「えっと葛西です」
「じゃあ、東西線か。俺もだけど反対方面」
「どこですか?」
「落合」
「落合って、行ったことない」
「知り合いでもいなければ、わざわざ行かないとこだからな」
地下鉄の改札を通り、左右のホームに別れる直前、昴がスマホを出した。
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