第二章 例外

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〈takaomi〉  あっという間に日は過ぎて、3週間の夏期講習も、あと2日残すばかりとなった。  生徒たちはみな一様にどんよりしはじめた。 夏休みが終わるからだろう。  クラスが始まったころの、十代ならではの、弾けるようなはつらつさが影を潜めている。 「まだ宿題終わってないー」  休憩時間、誰の会話を小耳に挟んでも、ほぼその話題に終始していた。   「どうした?」  デッサンの手直しをしている最中、他の生徒より数倍、暗い顔をしている昴が気になって声をかけた。  昴は目を伏せたまま言った。 「夏期講習、明日で終わりだから……」  最後の週で、昴はさらに腕をあげた。  形をきちんと捉えることができるようになったし、光と影の描写も的確になった。  そして、なにより、彼の絵は個性の芽生えを感じさせた。
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