第二章 例外

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〈subaru〉  貴臣の家からの帰り道、昴は自分の身体が浮き上がってしまうのではないかと思うほど浮かれていた。  はじめて親にぶたれたショックも頬の痛みも全部、どこかに飛んでいた。 ――俺が教えてやろうか  同じ言葉がずっと頭のなかでぐるぐる回っている。  それに、先生は自分から言ってくれたのだ。  俺が教えてやろうかって。  気持ちが高ぶって、落ち着かない。  どうして先生といると、こんなに心が弾むんだろう。  それに最近、気づくと先生のことばかり考えているし。   これって、やっぱり好きになったってことだよな。  昴は困惑しながらも、その甘美な感覚に浸る心地よさを覚えていた。  これほど人を想うのは、はじめての経験だった。
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