第二章 例外

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 でも……  先生が自分を好きになるなんてありえない。  この思いは絶対に通じない。  それはちゃんとわかっていた。  だって、貴臣には彼女がいるのだから。  この前、先生と一緒に歩いていた人。  清潔感があって、笑顔に余裕が感じられる大人の女性。  とってもお似合いなふたりだった。    だから、今のままでいい。  貴臣の特別な生徒というポジションで。  なにしろ、個人レッスンを申し出てくれたのだから。  それだって、控えめに言っても最高だし。    それに……  そもそも、男の自分と先生が恋愛関係になるってどういうことか。  昴自身もよくわかっていなかった。
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