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行きたい、ここに。
どうしても。
でも、反対されるに決まってる。
無理だと思っても、行きたいという気持ちは収まらない。
昴は特進コースとデッサン基礎の、日程と費用を確認した。
デッサンのほうはもう始まっているけど、終了日は一緒だ。
費用もそう変わらない。
答えが見つかった。
「俺、明日でも行って、申し込んでくるよ」
「え、あなたひとりでってこと? 今度の土曜日なら仕事ないから、お母さん、一緒に行けるけど」
「でも、特進は定員があるって書いてあるから早いほうがいいんじゃない? 俺だってもう高校生なんだから、それぐらいひとりで行けるよ」
結局、翌々日、昴はひとりでその予備校に出向くことになった。
母親に「支払いもしてくる。俺の気が変わっちゃうと困るでしょう」と言って、入学費用も持たせてもらった。
彼が向かった先は、もちろん特進コースのある校舎ではなかった。
その裏手、美大受験用の教室がある校舎。
白いタイル壁の、4階建ての建物。
いくら、自分の想いを伝えようとしても、はなから理解しようとしない親を説得するのは無理がある。
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