第三章 急接近と突然の遮断

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〈subaru〉  なんで泣いたりしちゃったんだろう。  臣先生、俺のこと、めっちゃガキって思っただろうな。  だって……あんまりにも嬉しくて。  臣先生が「その才能を眠らせるのは惜しい」なんて言ってくれると思ってなかったから、もう完全に不意を突かれた。  それだけでも天井まで飛び上がりそうなほど嬉しかったのに、さらにさらに、岡本太郎記念館に誘ってくれて……  まさか、先生とデートできる日が来るなんて。  いや、もちろんデートと思ってるのは俺だけだけど。    その日のことを考えると、気分がハイになって、バク宙でもなんでも、できそうな気がする。  父親と喧嘩しても、今度は耐えられそうだ。    でも同時になんだか怖くもある。  これ以上、先生を好きになってしまったら。  この気持ちが抑えきれなくなったら。  俺、どうすればいいんだろう。  自分たちはあくまで先生と生徒。  俺がどう望もうと、それ以上の関係になれないことは分かっている。  でも……  そろそろ限界かもしれない。  崖の淵ぎりぎりのところで踏みとどまっている状態だから、指一本で押されてもすぐ、転がり落ちてしまいそうだ。  しっかりしなきゃ。  昴が何よりも恐れているのは、貴臣と会えなくなってしまうことなのだから。
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