第一章 出会い

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 親には、特進に通っていることにして、ここでデッサンの基礎をきちんと学ぶ。  それが夢への第一歩だ。  わくわくとドキドキが入り混じった気持ちを抱え、昴はその校舎に足を踏み入れた。  受付で「基礎クラス」の見学をしたいと頼み、事務の女性の案内でアトリエに向かう。  廊下に、使わなくなったものなのか、石膏像が無造作に置かれている。  それを見るだけでも心が躍る。 「小川先生、見学希望の生徒さんです」  アトリエに入った事務の女性は、講師の男性に声をかけた。  そして、彼が振り返ったとき、昴はわが目を疑った。  あれから、昴がずっと心に描いていた人。  渋谷で壁画を観ていた人が、そこに立っていたから。
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