第四章 ターニング・アラウンド

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 ***    それから、さらにひと月ほど過ぎ、12月も半ばになった。  週末、研究室の仲間と渋谷で忘年会をすることになり、夕方から出かけた。  家を出て駅に向かっているあいだに、冷たい雨が降りはじめた。  渋谷駅に着くと、足は自然に壁画へと向かう。  だが、前のようにただ無心に壁画を観ることはできない。  どうしても昴を思い出してしまう。  そして、つい、周囲を見回して、いるはずのない彼を探してしまう。  ここでまた、偶然に会えたら、どんなにか……  あまりにも都合の良いことを望んでいる自分を笑うかのように唇をゆがめ、貴臣は目的地に向かった。
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