第四章 ターニング・アラウンド

7/29

95人が本棚に入れています
本棚に追加
/98ページ
 二次会は誘われたが断った。  友人たちはいつものことだからか、特に引き留めることもなく、酔いにまかせてふざけ合いながら、三軒先のクラブに向かっていった。  雨はまだ降り続いている。  酔客が目立つ地下鉄で最寄り駅まで戻り、飲み足りない気分だったので、少し回り道をして、コンビニに寄った。  買うつもりのない雑誌をだらだらと立ち読みし、ビールにするかチューハイにするか悩んだりして、アパートに着いたのは、23時近かった。  階段を上り、鍵を探しながら隣の部屋の前を通りすぎたとき、気づいた。  自分の部屋の前に人がいることに。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

95人が本棚に入れています
本棚に追加