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でも……貴臣は留守だった。
明かりの消えた部屋の前に立って、気づいた。
ああ、彼女と会っているんだ、きっと。
泊まりかもしれないな。
クリスマス、近いし。
すべての気力が身体から抜けていく感覚を覚え、昴はその場にへたりこんだ。
寒い……
こんなに寒いのは初めてだ。
雪山で遭難するってこんな感じなのかな。
ここで寝ちゃったら、死んじゃうとか……
先生、びっくりするな。
ここで俺が死んでたら……
そうぼんやり思ったけれど、睡魔には勝てず、意識は途切れた……
だから……
先生が手を差し伸べてくれたとき、夢を見てるのだと思った。
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