第四章 ターニング・アラウンド

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 昴をその場に残し、貴臣は風呂場に向かう。  給湯式のユニットバスではないから、沸くまで20分ほどかかる。  着替えさせたほうがいいとは思ったが、とりあえず電気ストーブをつけ、もう一枚バスタオルを出して肩にかけ、その前に座って待たせた。 「あったかい。身体、溶けちゃいそう」  昴はオレンジ色に光る石英管に両手をかざして言った。  いったい、何時間、あそこで待ってたんだ。    聞きたいことは山ほどあったが、まずは少しでも身体を温めてやらないと。  と言って、未成年の昴に酒を飲ませるわけにはいかない。  牛乳でもあればいいが、そんなものは常備していないし。 「ちょっと待ってろよ」  貴臣はそう言うと、近くの自販機まで走り、コーンスープとココアを買い、上着のポケットに突っ込んだ。  とにかく、早く飲ませなきゃ。  家に帰るまでのほんの数分すらもどかしい。
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