第四章 ターニング・アラウンド

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「先生……」  昴は小さく呟き、貴臣の首に両腕を回した。  子どものように頬をすり寄せる昴の髪を優しく撫でながら、貴臣はベッドサイドの時計に目をやった。  すでに1時56分だった。   「もうすぐ2時だ。そろそろ寝ないとな。明日持たない。ベッド使えよ、俺はこっちで寝るから」  昴は顔を上げると、少し意外そうな表情でためらいがちに言った。 「一緒じゃ……なくて?」   貴臣は笑みをこぼして首を振った。 「いや。明日はお父さんとの対決だ。しっかり寝ておかないと」  少し拍子抜けしたような、でもほっとした顔で昴は頷いた。 「じゃ、じゃあ、俺がそっちで寝る。ベッドは臣先生が使ってよ」 「いいから、遠慮するなって」  貴臣は布団をはぐり、無理やり昴を寝かせ、明かりを消した。 「おやすみ」  少しの沈黙のあと、昴は小さな声で言った。
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