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「臣先生……」
「なんだ?」
「今日、来てよかった」
「俺も嬉しかったよ。頼ってくれて。さ、もう寝るよ」
「うん、おやすみなさい」
疲れが出たのだろう。
昴はあっという間に眠りについた。
規則正しい寝息を聞きながら、貴臣の頭は逆に冴えていく。
目をつぶってしばらくじっとしていたが、どうにも寝付かれず、起き上がる。
熟睡しているらしく、昴が目を覚ます気配はない。
貴臣はそれでも音を立てないように気をつけて台所に行き、ウイスキーをグラスに注いだ。
部屋に戻り、琥珀色のアルコールを傾けながら、貴臣は常夜灯に照らされた昴の寝顔を見つめる。
「うん……」
昴が寝返りを打って布団をはいだ。
貴臣はグラスをテーブルに置き、昴の枕元に立ち、布団をかけなおしてやる。
そして、柔らかな髪に包まれている彼の頭にそっと触れた。
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