顔面にこだわりすぎたイケメン王子の末路。

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 俺はフランク王子。自分でいうのもなんだが王子という肩書にふさわしいほどのイケメンだ。そんな俺に今日、婚約者ができるらしい。二十歳まで結婚はおろか、恋愛すら禁じられている俺たち王族は二十歳になることで初めて婚約者を作れるのだ。この俺にふさわしいほどの姫君、果たしてどれほどの美女が来るのだろうか。 「…王子?聞いておられますか?」  執事が何度か俺に呼び掛けていたらしい。浮かれていた俺はそんなものに一切気付かなかった。 「ん?もちろん聞いてなかったぞ。なんだ?」 「ご婚約者のナタリー様が到着いたしました」 「なにっ。早くそれを言えっ」  俺は天蓋つきのベッドからひょいっと降りるとそそくさと客間へ向かった。  客間にてナタリーを待つ俺は窓ガラスに映る自分の姿を何度もチェックした。よし、タイも曲がっていないし髪型も完璧だ。父上の話によるとナタリーは絶世の美女らしい。人間は最初の1秒で印象が150パーセント決まるからな。こちらもイケメン王子としてぬかりなく身なりを整えねば。 「ナタリー様の御なりです」  ついにこの時が来た。俺は彼女が入場してきたときまずは足元から徐々に上へと視線を変えていった。ふむふむ、ひとまずデブではないようだ。  しかし顔面まで俺の視線が到達したとき、俺は腰を抜かした。
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