アイマスク

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     最近、ネットの片隅で奇妙な噂を見つけた。いわゆる都市伝説というやつだ。  一部の若者の間で、おかしな病気が流行(はや)り始めているという。瞳の色が突然藍色になり、見るもの全てが藍色に染まってしまうという症状だ。一度(ひとたび)発症すると、一生治らない病気だという。  医学的な関連は不明だが、発症直前に全員が同じようなアイマスクを装着しているので、それが原因だと考えられている。購入した覚えもないのにいつまにか手元に紛れ込んでおり、発症後は探しても見つからないという、呪いのアイテムみたいな藍色のアイマスクだ。  なるほど、私は濃い青色と表現してしまったが、確かにあれは藍色ともいえる色。ならば私は、死ぬまでずっと、この目の異常と付き合っていかねばならないようだ。  なおこの病気は、アイマスクがきっかけで発症することに加えて、視界が藍色(アイいろ)覆われる(マスクされる)という意味で、(アイ)マスク病と呼ばれているらしい。 (「アイマスク」完)    
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