【言の葉の欠片《2》】

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【キリンとヘビ】 私が小学生になったばかりの頃。 『絵を描く』という楽しみを覚えた。 取り分け気に入って描いていた絵は『キリンの足に蛇が絡み付く』絵。 当時の私は何故か、その絵ばかりを描いては悦に浸っていた。 ところが……である。 私が、その絵を描くと気味悪がった両親は私から『キリンの足に蛇が絡み付く』絵を取り上げては……父親は私を木刀で殴り、母親は私に罵声を浴びせてくる。 それでも私は『キリンの足に蛇が絡み付く』絵を……小学3年生〜4年生くらいまでは描いていたと記憶する。 たぶん。 その頃辺りから母親が幻聴幻覚に振り回されていたんじゃなかったっけ? 当時の私には何故、そんな絵を描き続けていたのかは知る由もなかったが、今の私なら判る。 私の両親は某宗教の熱烈な信者だった。 そのせいで当時の私は両親から、あらゆる制限を受けていた。 その呪縛からの解放を願い……当時の私は『キリンの足に蛇が絡み付く』絵を描き、両親の目を覚まさせ……自分を解放させたかったのだと思う。 お父さん。 お母さん。 今、あなた方は幸せですか? そして私は……。 今、幸せですか? (2022年11月27日)
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