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【グルメ】
僕はグルメ家だ。
美味しいと噂がたった店には必ず行き食して僕なりの採点をする。
あの店はB判定。
あの店はC判定。
といった具合にだ。
ところが僕の舌を唸らせるA判定の店には、ついぞ、出会う事がなかった。
もう、何処の店にも行きたくない。
そうボヤキ、公園のベンチに座っていた時だった。
虹色の羽を持った小さな妖精が一粒のアーモンドを抱えて、僕の肩に舞い降りた。
「お兄さん、どうぞこのアーモンドを召し上がれ♡」
僕は、は?……と思ったが、妖精からアーモンドを受け取ると自分の口に放り込んだ。
するとだ。
何という事だ!!
素朴であるが故のアーモンドの香ばしい味わい!!
僕は思わず妖精に訊いた。
「このアーモンドは、何処で手に入れたんだい?」
妖精は応えた。
「あら?この世の中に、たくさんあるわよ?」
そんな筈は……。
と僕が思った瞬間、妖精は姿を消した。
このアーモンド。
僕の判定は、勿論……。
A判定だ!!!!
(2022年11月29日)
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