【言の葉の欠片《2》】

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【夫の給料日】 今日は夫の給料日だ。 私は太陽が登る前の午前4時にマンションを出て、銀行へ行く。 日中は苦手な私だからね? せっかく色白になったのに日焼けしたくないの。 それに人混みは苦手だし。 私が躁の天辺だった頃、世の為、人の為と言い数ヶ月で約1億円の貯金を寄付したり……と、様々な人にばらまいてたので、現在、夫は仕事量を増やし貯金に精を出している。 しかし夫は私を責めはしなかった。 「良い事をしたんだからいいよ?……でもこれからは自分の為、家族の為にお金を使おうね?」 と諭してくれた夫。 その時に初めて知ったんだ。 夫の器のデカさを。 この夫にかなう人間が、この世にいるのだろうか? 少なくとも私には真似出来ない。 そんな夫に感謝しながら銀行へ行き、必要最低限のお金だけを引き落として帰宅する私。 私の小遣いは月に3万円。 その内の1万円を私は、知的障ガイを伴う自閉症の息子の為に息子用の貯金箱の中に入れている。 おかげさまで、我が家の貯金は半年で600万円になった。 ありがたい事だ。 次に1億円溜まったら息子の為にグループホームを設立したいな? ダメかな? (2022年11月25日)
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