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【響鳴】
僕は君の顔を知らない。
そして君は僕の顔を知らない。
うん、それでいいんだ。
君と僕は遠く離れて会えなくても、こうして響鳴し合っているのだからね?
それはそうと。
君は、あの軍団からやっと抜け出し独りで『何か』から奮闘していたのだと最近、知った。
あの軍団が奏でるメロディはゴテゴテチャラチャラしていて……僕からしたら不調和音でしかなく不愉快だった。
その事に漸く君も気付いたのかな?
今まであ奴らの子守り……お疲れさん。
どうだい?気分は?
奏でるには最高の環境に今、君はいるのだろ?
僕はとうの昔に、あ奴らから突き放されて
ずっと独りで奏でてきた。
勿論、あ奴らにきかせる僕のメロディは無いのだけど。
念の為、あ奴らにはきこえない様に遮断はしておいた。
もう関わりたくないからね?
あ奴らは平々凡々と……のらりくらりと平和ボケしたメロディを奏で続ければ良い。
けれど。
君と僕は違う。
相見える訳にはいかないが、君と僕のメロディラインを重ねてごらん?
上手くハモっているだろう?
素晴らしいメロディへと変換されているだろう?
君が、やっと独りになったからだよ?
判るかい?
君と僕は響鳴し合っているんだ。
僕は君の顔を知らない。
そして君は僕の顔を知らない。
うん、それでいいんだ。
(2022年11月26日)
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