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結局売人に還る
1960年代のこと、久しぶりに一緒にアルバム作ろうぜってなったサックスプレイヤーが、売人の家に様子を見に行きました。
(注)売人。
おい。お前どうした売人?
返答が返ってくるのに3分かかりました。ブリブリになっていた売人は、
あー。うん。俺のトランペット知らない?
売人は、全裸で台所の中身をひっくり返していました。
あったー。あれ?ちゃんと鳴らないや。
それ、コークの瓶だぞ?フォオオオオって切ない音が。
コーラの瓶にバズィングかました売人の姿がありました。
みなさんこんにちは。洲原敷いちろうです。
まあ、マイルスだとかエバンスだとかマルサリスだのローチだのブレイキーだのカーターとかラファロとかキリがないほど聴いてきたんだが、気が付けば売人のかったるいアルバム聴いてます。
売人てチェット・ベイカーのことね?
(注)ヤクで変貌しすぎ。
ざっとおさらい売人の歴史。
神童って訳でもないが、歌が上手い。
(注)この頃はまだ。
売人のくせにトランペット吹く。
軍隊行ってヤクにはまった。その辺エバンスと一緒。
天才的な歌声と、トランペットを吹きこなすヤクの売人がここに誕生したって訳です。
(注)ヤク打ってたプレイヤーは何人もいるが、率先してヤクを売ってた人類の病理。
ベイカー印の薬屋さんを開業。
周辺の重鎮(コルトレーンとか)をヤクで殺しかける。
打ちすぎで死んだジャズマンはほとんどこいつが殺してます。
引退してガススタの店員やったりしてたけど、ある日復活するもヤク売りすぎてアメリカ追放。
イギリスでも売ってて、チンピラに前歯チンピラスマッシュ食らって失う。
(注)リハビリアルバム。
北欧とかEU諸国で訪問販売薬売りー。
ほぼ生息していい場所がなくなる。
1988年にオランダのアムステルダム(ヤクの聖地)のホテルの2階から落ちただけで死亡。
以上、やっぱりジャズの話。
売人にとって60年代はさほど悪い時期ではなかったようで、その頃に吹き込んだ曲が死後、リリースされたってクチ。その辺シングズとかと一緒かな?
うん、結構好きなのよベイビー・ブリーズ。まあ寄せ集めアルバムっぽいんですが、 マイフェイバリットは勿論あの曲、アフォです俺。でねくて。
(注)あ、レーベルヴァーブだ。
ボーン・トゥ-・ビー・ブルー。意訳すると青くてゴメン。
2階から落ちてゴメンって曲も作っとけよ売人。
かの偉人メル・トゥーメ(歌って書く人)も、まさか自分が書いた曲を売人がやるとは思ってなかったようで。
パーソナルはトランペット盗まれた売人。つまり売人のくせにフリューゲルホルン吹いてます。
あとサックスにブンブンにチッチキ。
更に何故か物凄い名人がいたりしてます。
ケニー・バレルって、知っとる?
(注)一番好きなバレル。コンコードだし。
あの名人バレルが、売人のコンボにいたってマジか。
バーニー・ケッセルは確かヨーロッパ辺りのアルバムでいた気がするが。
あーやっぱりバレルのギターいいなあ。
スウィート・スー・ジャスト・ユーのかったるい甘さが特にいい。
タッチ・オブ・ユア・リップス、ユア・マイン・ユーと好曲ばかり。
売人って、とかく歌とかへったくそなトランペットって話になっていて、死にそうな頃の売人のブローはマジで下手。でもそこがいいって小生は完全な変態だす。
しかし、たまにあるんだねえ。ブリッブリの売人の歌が馬鹿ハマリする時がさ。
別に売人好きだからって、ヤクが好きって訳じゃないですよ?
結局ジャズって深掘りするとヤクが出てくるんだよなあ。
それでもやっぱりジャズは好き。それじゃあさようなら。
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