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愛子さんがやってきた日
ある日、シェアハウスに帰宅をすると、知らない日本人女性が私の下手と同じ地下フロアにいた。
もちろん最初は驚いたものの、気さくで優しいその人の性格のお陰もあり、すぐに打ち解けることができた。
それが、愛子さんだった。
ただ、この気さくさのせいもあるのだろう。
愛子さんが来てから、トムと愛子さんがよく2人きりで外出するのを見かけるようになったのにも関わらず
「年が近いって言ってたし、男女の友情みたいなものかしら」
と私は特に疑いもしなかった。
愛子さんが入居した当日、一緒に夕飯を食べた時に愛子さんには日本に婚約者がいるとも言っていたので。
後々真実を本人以外から聞かされることになるのだが、その時に真っ先に私が思ったのはこうだった。
(あの時点で疑えなかったから、彼氏ができなかったのか!? 私に恋愛を察知する能力はないのか!?)
それくらい、恋愛経験があったり、既婚者からするとバレバレの関係だったらしい。
解せぬ。
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