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「なんでもないっ!!なんでもないっ!!」
頬張った口から地面にぶちまけて、慌てて回収したノウサギは、ネザーランドドワーフウサギのなのが回収した分を見たとたんにふんだぐって口の中に押し込むと、
パンパンにした口で立ち上がり、鼻をヒクヒクさせて行く方向を確かめるとそそくさとぴょーーーーーーーーんと跳び跳ねて遥か向こうの方へ駆けていってしまった。
「な・・・何だよ・・・?!あのウナギ!!
せっかく落ちた木の実を拾ってあげたのに、「ありがとう」の一言も言わないの?!
失礼だなあ?!」
ネザーランドドワーフウサギのなのは、プンプンと怒った。
「しっかし、何でこんなにも木の実やらドングリを口いっぱいに運んでたんだぁ?
あのウサギ・・・」
あかりは、呆然とつっ立ってノウサギの行った道をみつめていた。
「・・・あれ?」
ネザーランドドワーフウサギのなのは、脚元に何かが転がっているのを見付けた。
「これって・・・まさか?!」
そうだった。そのまさがだったのだ。
「わ・・・忘れ物だぁーーーーーー!!」
それは、今さっき去っていったノウサギの回収し忘れた分の木の実やドングリだったのだ。
落としたノウサギが激しくテンパって冷静を失なっていた為に、つい見落としていた分だったのだ。
しかも、それらは大量の木の実やドングリだった。
「この忘れもの、どうやって届けたらいいんだ?!」
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