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少しだけ違ういつも
「親の仕事の都合でアメリカから越してきた、田村瑞希です!元々は日本育ちでなので、英語より日本語の方が得意です!俺、人と話すのは好きなんで、良ければ話しかけてやってください!」
転校生が来る、クラスの誰かが噂をしていた気がしたが、それは本当だったのか、なんて思いながら、机につけていた顔を上げた。
外は雨で、転校生の性格とは反比例だな、なんて小さく笑った。
「田村くんの席は、1番後ろのー…七瀬くんの隣ね。あそこよ」
担任が俺の名を呼び、指を指した気がした。
そんなことはどうでも良く、変わり映えしない雨のグラウンドをぼーっと眺めた。
「えーと、七瀬?よろしくな?」
隣の席に座った転校生は、七瀬春に小声で声をかけた。
だが、春は無視をした。
テンションの高い人間と接するのは、億劫だと。
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