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悪運と後悔
「図書室って案外広いんだなぁ。俺、本とか読まないから来る必要ないけど、なんか楽しいね」
「………………」
ガラガラと開けて入った図書室。
楽しそうに話す瑞希に比べて、春は緊張やら不安やらで小さくなっていた。
「七瀬、俺、七瀬と目が合ってから、言いたいことが大量にあってさ…」
「……………」
また、言われる。
何度も聞いた、「変だ」「気持ち悪い」の言葉。
「俺の目の、何がダメなんだ…」
「え?」
思ったことが出ていたらしく、春は慌てた。
慌てて顔を上げた春は、また目が合ってしまい慌てて逸らした。
そんな慌てふためく春を見て、瑞希は「可愛いなぁ」なんて思った。
だが、このままでは何も発展しないと瑞希は口を開いた。
「目が、なんて?」
「…俺の目を、気持ち悪いって言うんだろ!変だって、笑うんだろ!」
もう、目は見られている。
ならば隠す必要は無い、そう思い、目を合わせて強く言葉を発した。
「俺に何を求めてるんだ!パシリにでもしたいから話したいって言ったのか!」
「………つき、あって…俺と、付き合って。」
平然と言う瑞希に、春は困惑した。
だが直ぐに、辱めだと思った。
「…みんなに、言わないと約束するなら。目のことと、関係のことを。」
「もちろん」
この瞬間、最悪な関係が出来上がったと春は思った。
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